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高専トピックス

四代目 大島丸の門出を祝うテープカットの様子

2023年3月19日(日)に大島商船高等専門学校(以下、高専)練習船「大島丸」の竣工を記念した式典ならびに披露式が大島商船高専にて行われました。

本式典には文部科学大臣や山口県知事、地元自治体首長、衆参議員、高専機構理事、近隣高専の校長先生・教職員、船舶団体等を含め約150名の方々が出席し、練習船「大島丸」の竣工を祝福しました。

今回竣工した練習船「大島丸」は四代目となります。
三菱造船株式会社 下関工場にて建造され、2022年3月1日に起工、2022年10月13日に進水、そして2023年3月13日に竣工しました。
先代の練習船「大島丸」(三代目)は1993年9月9日に進水が行われており、練習船のリニューアルは実に29年振りとなりました。

新造練習船「大島丸」は全長約56m、総トン数373トンと先代と比べ大型化され、新たに女子学生専用区画や感染症対応療養区画といったスペースが設置されました。
また、先代はディーゼルエンジンのみで推進力を得ていましたが、今回の新造船はリチウムイオンバッテリーを搭載し、エンジンとバッテリーでハイブリットにモーターを動かして、プロペラを回す電気推進システムが取り入れられています。

室内デザインの一部には学生のアイディアを採用し、船内・船舶照明の一部にはフルカラーLEDが使用されています。
他にも、新造練習船「大島丸」には船員を教育するための海技士教育設備や、海洋を調査研究するための設備や機器類も設置されています。
また、災害発生時には支援船としても活用されます。

大島丸三代目、四代目主要目比較

三代目 四代目
進水日 1993年9月9日 2022年10月13日
主要寸法 全長 全幅 総トン数 全長 全幅 総トン数
41.0m 7.6m 228トン 56.5m 10.6m 373トン
推進機関 ディーゼルエンジン機関 電気推進システム
試運転最高速力/常用航海速力 13.69ノット/12.50ノット 13.44ノット/12.50ノット
最大搭乗人員 船員 その他 船員 その他
9名 49名 58名 9名 51名 60名
臨時航行定員(3時間未満) 9名 90名 99名 9名 141名 150名


新造練習船「大島丸」の操舵室

新造練習船「大島丸」の学習ルーム

大島商船高専の古莊 雅生 (ふるしょう まさお)校長(※)先生は、新造練習船「大島丸」の最新設備を利用して、現状の運航船への応用、環境への配慮、自立運航船への適用に加え、更にはデジタル社会に対応できる学生の育成に繋がることを期待したいと述べられました。

また、新造練習船「大島丸」の建造目的である海技士教育、海洋調査研究、災害発生事に支援船の活用等に従って、最大限の効果を発揮できるように、人を、船を、環境を、地元への貢献をしたいとのコメントを頂きました。
※過去に古莊校長先生は校長先生インタビューにご協力頂きました。インタビューページはこちらを参照下さい。


新造練習船「大島丸」の機関制御室

新造練習船「大島丸」のエンジンルーム

新造練習船「大島丸」の竣工は関係者各位や地元の人々誰もが祝福し、盛大な記念式典となりました。
大島丸を活用した教育による、日本の海運業界を担う優秀な海洋人材の輩出にとても期待が膨らみました。

2023年4月より順次学生の実習等で大島丸の運用が開始されます。

※この記事の所属・役職・学年等は取材当時のものです。