高専トピックス
海外に広がる「KOSEN」 天皇陛下がモンゴルの高専モデル校訪問
天皇皇后両陛下は2025年7月6日~13日、モンゴルを公式訪問されました。9日には首都ウランバートルで、日本の高等専門学校をモデルとした私立学校「モンゴルコーセン技術カレッジ」を視察されました。中学卒業後の5年間で専門知識を身に付けた技術者を育成するという日本の「高専」教育は海外でも高く評価され、アジアで導入の動きがあります。天皇陛下はモンゴルの学生たちが創作したロボットや計測機器をご覧になり、「頑張ってください」とお言葉をお掛けになりました。
高専の教育システムは、自国のモノづくりを担うエンジニアを育てたいというニーズから近年、アジアで広がりつつあり、日本の高専関係者も日本型高等専門学校教育制度「KOSEN」として推進してきました。タイでは2019年以降に2校(KOSEN-KMITL、KOSEN KMUTT)が開校。日本の高専教員が現地教員の研修やサポートを行っており、ベトナムでも宇部工業高等専門学校などの高専と提携した教育カリキュラムが導入されています。
モンゴルでは、日本の高専で学んだモンゴル人留学生と高専関係者らが協力し、2014年に3校が開校しました。苫小牧工業高等専門学校など日本の高専からは機械工学やコンピューター工学の教員を派遣し、モンゴルの学生は日本で高専生によるディープラーニングコンテスト(DCON)や就業体験に参加しています。天皇陛下が訪問されたモンゴルコーセン技術カレッジでは、電気電子工学や機械工学など5つの学科で約350人が学んでおり、卒業生の約4割が日本で就職しています。
在位中の天皇陛下がモンゴルを訪問されるのは初めて。天皇陛下は8日間の日程で、国賓として歓迎行事やスポーツの祭典にご出席されました。
モンゴルコーセン技術カレッジには9日に訪問され、教室を視察。モンゴルでの「ロボコン」大会出場など学生の日頃の活動について教員から説明をお聞きになり、学生たちと和やかに懇談されました。