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高専トピックス

大島商船高等専門学校の学生が起業!地域密着型サービスで地域を活性化する『株式会社Midmoa』


株式会社Midmoa記者会見様子。津田拳志郎さん(左から二人目)を中心に記者会見が行われました。
大島商船高専では、6月~8月は毎年、ハワイ州カウアイ郡と姉妹島提携を結ぶ周防大島町のアロハキャンペーンに協力して、アロハシャツで仕事をしています。

2024年5月21日、大島商船高等専門学校 情報工学科5年 津田 拳志郎つだ けんしろう さんが代表取締役を務める 株式会社Midmoaミッドモア が設立されました。
設立した企業について2024年6月26日に記者会見が行われました。

津田さんは高専に通いながら、剣道部や詩吟部等で様々な部活動を行い、学生会の副会長や寮長としても経験を積み、同校で文武を問わず体得した豊富な知見を活かし、地域密着型の情報サービスと農業サービスを提供するベンチャー企業を立ち上げました。
起業のきっかけは、「自分の技術やアイデアをカタチにし、社会貢献がしたい」という強い意志があり、高専起業家サミット(※)での成功も、彼の決断を後押ししました。特に商船祭や各種コンテストでの映像制作の経験や作品に対する評価が、彼の起業に繋がる重要な糧となりました。

高専起業家サミットで提案したビジネスプランはこちら

※高専起業家サミット:起業を目指す高専生がビジネスプランの発表・交流を行います。

株式会社Midmoaの事業内容


津田さんの事業についての発表の様子。事業の意義や具体的な事業構想について発表しました。

株式会社Midmoaは、地域の自営業者や個人事業主を支援する情報サービス及び農業サービスを提供することを目指しています。
具体的には、津田さんが映像制作を行った経験を活かし、PR動画やプロモーションビデオの制作、SNSやICT化コンサルティング、フォトグラメトリー(※)による3DCGデータの作成など、幅広いサービスを展開予定です。
また、生成AIを活用した映像・音楽・文章の制作や、スマート農業のフランチャイズ事業も手掛けていきます。

活動の拠点は大島商船高専のある周防大島町すおうおおしまちょうで活動を行います。その理由は、津田さんは高専生活を通じて地域の温かさを感じ、地域の皆様に恩返ししたい気持ちが強くあったからです。
将来的には、周防大島町から山口県全体、さらには日本全国へと事業を拡大する計画です。また、高専起業家サミットでも提案したビジネスプランを引き続き母なる北風研究室との共同研究で研究・開発、商品化を進めていきたいとの意向です。

※フォトグラメトリー(Photogrammetry):複数の写真を使用して物体や環境の正確な3次元モデルを作成する技術。写真を異なる角度から撮影し、それらを解析することで詳細な3Dモデルを生成可能。

あとがき


記者会見後の集合写真。写真右から大島商船高専 校長 藤本 隆士ふじもと たかし 先生。情報工学科5年津田 拳志郎つだ けんしろう さん。情報工学科教授 北風 裕教きたかぜ ひろのり 先生。

高専で培った研究や数多くのコンテストを通じて、起業を志す高専生が年々増加しています。
昨年から、高等専門学校では「高等専門学校スタートアップ教育環境整備事業」という新たな政策が施行され、起業家精神の育成と起業家としての資質や能力の向上を目的としたアントレプレナーシップ教育が一層強化されています。
この政策により、高専生たちは革新的な技術を駆使して社会課題の解決に挑戦し、日本だけでなく世界の経済発展にも貢献することが期待されています。

今後も、高専生たちが新しい技術やアイデアを活用し、起業家として成功することで、地域社会やグローバルな視点での活躍がさらに広がっていくことが期待されます。

(掲載開始日:2024年7月5日)

※この記事の所属・役職・学年等は取材当時のものです。