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高専トピックス

茨城工業高等専門学校「企業研究会」レポート


2023年11月16日(木)
第一部 10:30~12:00 保護者向け 就職講演会 
第二部 14:00~16:40 学生向け  企業研究会
於 ホテルクリスタルパレス 
(写真)第二部の企業研究会の様子。写真手前は保護者向けの相談コーナー。

全国に展開する国公私立高専58校は、中学卒業直後からの社会実装の高等技術教育によって、就職希望者の就職率はほぼ100%となっています。一方で、就職後に短期間で離職するケースも散見され、原因となる企業とのミスマッチを防ぐキャリア支援が求められています。

解決の取り組みのひとつとして、茨城工業高等専門学校(以下、茨城高専)で学生と保護者を対象とした企業研究会が2023年11月16日に開催されました。
昨年に続き2回目となる今回は、新たに午前の第一部を設けて学生の保護者を対象に講演会が開催されました。午後の第二部は昨年同様に学生を対象とした企業説明会が、茨城県を代表する名門ホテルのひとつである茨城県ひたちなか市内のホテルクリスタルパレス行われました。

第一部の講演会には約80名の保護者が参加し、帝国データバンクの方から「信用調査会社の視点で分析した就職市場について」、旭化成株式会社の人事部の方から「高専生のキャリア形成」の講演会が行われ、講演後には保護者から「親のサポートはどのようにすればよいか。」など質疑が活発に行われました。

第二部の企業研究会では、約200名の本科4年生及び専攻科1年生が、希望する企業を3社以上決め、各社のブースで会社説明を受けました。参加した37社は、学校側が企業を多面的に分析し、一定基準を設けた上で呼び掛けました。全国展開の大企業もあれば、地元に根ざす優良企業もあり、専攻分野で偏りのないよう多岐にわたる業界や企業の顔ぶれとなりました。

茨城高専では、卒業生の約半数が専攻科や大学に進学をしますが、企業研究会には進学する学生に対しても1年後の就職活動に向けた準備を促す狙いもあり、進学者も参加をさせています。まだ就職は先のことと考える学生に対して、この会場と企業の顔ぶれに緊張感を持たせ、キャリアを考えるきっかけとしています。本企業研究会は、様々な工夫が盛り込まれており、それが今後、他の高専キャリア支援のモデルケースとなることが期待されます。

(掲載開始日:2023年12月8日)

※この記事の所属・役職・学年等は取材当時のものです。