実践的技術者を輩出する高専の特徴
高専の概要
全国各地の高専
昭和30年代初頭から始まった日本の目覚ましい経済成長を支える科学・技術の更なる進歩に対応できる技術者養成の要望が、当時から社会全体で強まっていました。
こうした産業界からの要請に応えるため、昭和37年(1962年)に国立高専機構は、初めて高専を設立しました。
この時に国立12高専(函館、旭川、福島、群馬、長岡、沼津、鈴鹿、明石、宇部、高松、新居浜、佐世保)とともに、公立高専として東京都立工業高専と東京都立航空工業高専の2高専が設立されました。
これら高専は、職業に必要な実践的かつ専門的な知識及び技術を有する創造的な人材を育成するとともに、わが国の高等教育の水準の向上と均衡ある発展を図ることを目的としています。
その後も年々高専は増加し、現在、機構は北海道から沖縄まで国立高専51校(55キャンパス)の全国ネットワークを持ち、学生数約50,000名、教職員数約6,000名の大規模な高等教育機関となりました。
公立私立を含めると高専は2024年時点で58校(国立51校、公立3校(※1)、私立4校(※2))あります。
※1:公立3校は「東京都立産業技術高等専門学校」、「大阪公立大学工業高等専門学校」、「神戸市立工業高等専門学校」
※2:私立4校は「サレジオ工業高等専門学校」、「国際高等専門学校」、「近畿大学工業高等専門学校」、「神山まるごと高専」
海外に展開される高専
日本の大学は、明治時代に欧米に倣って設立され、若干、輸入的な経緯は否めません。
高専は、日本独自の制度として1961年に創設され、1962年に第一期群の高専が開校し、2022年は創設満60周年を迎えることになります。
この間に、約50万人の優れた卒業生を輩出し、企業からも社会的にも高い評価を得ていることは周知の通りであります。
これら積年の教育実績を踏まえて、諸外国から正式に日本の高専と同様の教育機関を設けたいという要望が寄せられ、既に、以下の各国には、実際に日本から高専教育そのものが”輸出”されているのです。
モンゴル:2016年にリエゾンオフィスを設立後、現在はモンゴル科学技術大学付属高専、モンゴル工業技術大学付属高専、新モンゴル高専として、同国の技術者教育の高度化に貢献。
ベトナム:2018年に設置されたプロジェクトオフィスやその後のリエゾンオフィスに於いて、商工省管轄の3つの工業短期大学の高度化を支援中。
タイ:日本の高専の教育制度を本格的に導入した初の高専(KOSEN-KMITL)が2019年に、2校目の高専(KOSEN KMUTT)が2020年に開校し、今や「高専(KOSEN)」は国際語となって海外でも発展しているのであります。