活躍する高専出身者インタビュー
高専生は技術者採用の中核。創業130年に及ぶ技術重視の風土が、高専生の潜在能力を引き出し、数多の活躍を生んでいます。
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株式会社イシダ(本社:京都市左京区聖護院山王町44番地)は、食品製造業界を主要顧客 とする産業機械メーカーです。自動計量機を中心とした設備やシステムを開発・製造し、 世界各国へ展開しています。
イシダの大きな特徴は、高等専門学校(以下、高専)の設立当初から卒業者の採用に注力 してきたことです。選考段階から、本人の配属希望を重視し、意欲と実力を最大限に引き 出して業務に取り組めるように取り計らいます。今回は5名の高専卒社員にイシダにおけ る高専出身者の活躍ぶりとそれを引き出す風土についてお聞きしました。
(掲載開始日:2026年3月19日)
望んでいた仕事を任され、意欲が引き出される。
まず、現在の配属先で取り組んでいる業務内容と、日々感じられるやりがいをお聞きしました。
佐伯 優斗(さえき ゆうと)氏
システム開発二課三係
富山高等専門学校(本郷キャンパス) 電気制御システム工学科卒 2022年新卒入社
中学生の頃から理系の科目が得意だったことから高専に入学。高専時代に熱中したのは、ラインをトレースしてゴールを目指すLEGOを使ったクルマの制御プログラミングと、ロボコン。いずれもチームで協力し合ってものづくりを行い、好成績を目指す日々に大きな充実感を得ていた。卒業後は開発職に就きたいと考えていたところ、就職サイトでイシダが開発職を募集しているのを発見。面接でも入社後の希望を語り、想い通りにシステム開発部門に配属された。
佐伯:入社4年目の私が関わっているのは、X線検査装置のソフトウェア開発です。この製品は食品の製造ライン上で異物の混入を発見する機能を持つことから、顧客である食品メーカーの品質管理において重要な役割を担っています。現行機種は市場占有率が高く、イシダの主力製品の一つになっています。開発中の新機種は機能を大幅に進化させていますから、出荷台数は大きく伸びるでしょう。
私は6名のソフトウェア開発チームの一員ですが、上司からは基本的な機能全般を任されています。機能を大幅に向上させただけあって、開発はチャレンジの連続でした。ソフトウェアを一から作り直すのみならず、新しい技術に挑む必要も出てきました。そこで私は、新しいプログラミング言語を独学で習得し、この困難を乗り越えました。上司から信頼され、重要なパートを託してもらっているからこそ、やり遂げようとする気持ちが高まったのだと思います。

滋賀事業所(滋賀県栗東市)の最上階の会議室でのインタビュー、見晴らしの良い会議室からは近江富士(三上山)を望むことが出来ます。
上野 夢月(うえの ゆづき)氏
第二開発部 プラットフォーム開発課六係
神戸市立工業高等専門学校 電子工学卒 2024年新卒入社
幼少期からLEGOなどで遊ぶのが好きだった上に、中学生になるとはんだごてを使ってラジオを製作する“技術”の授業で、ものづくりの楽しさに目覚めた。また、母親がかつてゲームプログラマーだったことからプログラミングに興味を持ち、高専を受験。授業では難易度の高い試作試験を一歩一歩クリアしていく達成感に熱くなった。その後の就活時期にイシダの組み合わせ計量機に多くの工夫が凝らされていることを知り、自ら関わりたいと思い入社を決めた。
上野:所属するプラットフォーム開発課では、主に電気系のエンジニアが活躍しています。そうした中で、2年目の私は10歳ほど年上の先輩にメンターとして付いて頂き、X線検査機の電気回路の設計業務を通してマンツーマンの指導を受けています。その内容は、機器内の配線やハーネスの配置などについてメンテナンス性を考えながらCADで回路設計に落とし込んでいくという仕事です。毎日が学びの連続ですが、それだけに自分自身の成長感は大きいですね。また、先輩は自分の成長のペースに合わせた指導をして下さっていると感じています。例えば、以前は何をどうするべきか指導を細かく受けていましたが、今では任される部分が広がったこともあり、自分で最適な配線経路などを考えつつ、先輩の確認を取りながら設計作業を進められるようになりました。少しずつ、自分が携わりたかったものづくりの仕事に近づいているという実感を持っています。
松下:私の所属する営業技術一課では、東日本エリアの顧客を担当しています。顧客毎に異なるシステムライン構築を提案する中で、私自身は生産工場内で材料や製品を搬送するマテハン機器と、自動で箱詰め作業を行うACPと呼ばれる装置を主に担当しています。マテハン機器は、弊社が開発・製造する主力製品である組合せ計量器やX線検査装置などとは異なり、機器やロボットなどを協力業者に依頼して作り上げます。
また、設置・導入作業についても協力業者に依頼します。営業技術の業務としては、顧客と密にコミュニケーションを取り、構想・要望されている製造ラインを確実に把握し、その実現に向けて初期段階から企画提案を行い、装置の選択や基本設計に関しても責任を持って進め、稼働に至るまでの一連の工程を管理するプロジェクトマネージャーの役割を担うことになります。こうした業務内容から、顧客のオフィスや地方の工場、外製品メーカや協力業者との連携が欠かせず、出張は毎週のようにあります。しかしそれだけ多くの関係者と直接向き合えるからこそ、この仕事のやりがいは大きいです。顧客の限られた工場内スペースに、予算内で希望されるラインを構築する。あらゆる難題を乗り越え、無事にラインが稼働した際にいただける顧客からの感謝の言葉は、感無量です。
松下 満郎(まつした みつお)氏
営業技術部 営業技術一課
北九州工業高等専門学校 生産デザイン工学科 知能ロボットシステムコース卒 2020年新卒入社
高専では、単に設計図どおりに装置などをつくり上げるのではなく、課題解決に向けて自分が考えたように装置を動かす技術に興味を持った。授業でも、色を識別して分別し、適切な箱に収める自動装置の開発が楽しかった。イシダを知ったのは友人がインターンに参加したのがきっかけで、この会社には授業で感じたやりがいの延長上にある仕事があると認識して入社を決意。同時に、社会ニーズを満たす製品開発で安定した経営を継続していることにも魅力を感じた。
吉見:私の所属するサポートセンター企画課の役割は大きく分けて二つあります。一つは、テクニカルサポート部門が必要とする業務支援システムの構築。確実な業務改善や投資効果が見込まれるシステムの構築を担っているのです。そしてもう一つが、新たな製品開発ニーズの発掘と、それをイシダ全体に届ける企画立案業務です。設備メンテナンスを担当するテクニカルサポート部門は顧客やその生産現場と密な関係を構築していることから、現場での課題や要望に触れることが多くあります。
そうした中で察知した新たなニーズやトレンドを私たちが集約して、製品開発に繋げているのです。最近は省人化に向けてDXやIoTの観点から新たな仕組みを構築することが多く、もうすぐIoTを駆使して遠隔地の設備の些細なエラーを素早く察知するシステムをリリースする予定です。顧客のラインを止めずに安定稼働させる予防保全の実現は、イシダに対する顧客の信頼をまた一段と確かなものにするでしょう。
奈良:イシダは顧客の工場に導入される機器や装置類だけではなく、生産管理システムや品質管理システムも提供しています。SE部は、これらのシステム開発を担っています。そして私が所属するSE一課が担うのは上流工程であり、プログラム製造は開発SEか、外部の協力企業に発注するか、イシダグループのシステム会社が担います。私の課では、顧客とコミュニケーションを重ねながら、要件定義や基本設計をメインに、上がってきたプログラムのテストや検証を担当するのです。これこそ私がまさに望んでいた業務でした。
現在は入社2年目ということもあり、約20歳年上と10歳年上の先輩からの指導を受けながら、独り立ちに必要なスキルを学んでいます。1日に何回も質問していますが、毎回丁寧にしっかりと教えてもらえるので、この半年間ほどの成長は我ながら著しいと感じています。また、先輩たちからは技術面に加え、仕事への姿勢についても学ぶところがたくさんあります。例えば、顧客からの高度な要望に対して、できないことはできないとしっかり答え、現実的且つ要望に添えられる代替案を出しているのです。そのレベルにはまだまだですが、いずれは私も追いついて、会社に貢献したいですね。
高専で身につけた経験が今に活きてくる。
高専時代を振り返って頂き、当時は何を学び、それが今の仕事にどう生かされているのかについて伺いました。
吉見 智博(よしみ ちひろ)氏
ビジネスサポートセンター サポートセンター企画課
東京工業高等専門学校 電子工学科卒 2016年新卒入社
尊敬するシステムエンジニアの父が、東京高専の教授と共同開発を行っていたことから、父の勧めで入学。
ただ、授業にはそれほど没頭せず、英語で話すことが好きだったこともあり、海外からの留学生との交流に加え、個人でGoogleやAppleなど海外IT企業の現地見学に足を運ぶことに精を出した。このように海外指向が強いことからグローバル展開を積極的に進めているイシダに目が止まり、将来の海外勤務の可能性も大いにあり得ると考えて入社を決めた。
佐伯:入学当初から実践的な授業や実験を重ねていましたが、その経験が今の仕事に生かされていることを実感しています。それに、大卒よりも2年早く就職出来るのは、早く自分のやりたい仕事に就きたい学生にとっては大きなアドバンテージですね。
上野:確かに高専時代の授業はとても役立っています。私も入社後に担当することになった回路設計の仕事に初めて向き合った時に、かなり複雑だと感じ、気が重くなりました。ところがよくよく見てみると、部分部分は高専で習ったことだと気づき、ゴールへの視界がパッと開けたのです。授業では、どのような目的のために学んでいるのか見えない部分があったのですが、技術の土台はしっかりと築かれていたのですね。
松下:私も社会に早く出られたので、高専に入って良かったと思っています。今年度は大学院を出て入社してきた同年齢の後輩に指導しています。イシダでは同じ入社年次の同期同士の関係が強く、生涯の仲間になります。同じ年齢でも入社年次が後だと後輩の立場に収まるのです。高専卒と大卒、大学院卒では処遇に学歴の差はありません。
そして、大学院卒の後輩に教えるほどスキルの差があるということは、高専での実践的な授業が優れており、入社後に獲得した技術や実務経験の価値も高いということではないでしょうか。
奈良 明希(なら あき)氏
SE部 SE一課
広島商船高等専門学校 流通情報工学科卒 2024年新卒入社
中学卒業後は実家から時間をかけずに通学出来るできる学校が3校しかなく、その中で最も自分を成長させてくれそうな進学先として高専に入学した。選択した流通情報工学科では、ITに加えて生産者から消費者まで商品が流れていく流通業界についても学ぶ。イシダへの入社を志望したのは、インターンシップを通して、それまでに学んできた食に関わる生産技術の知識が活かせると実感できたから。穏やかな雰囲気の社風や、希望配属先を尊重してもらえる点も魅力的でした。
吉見:私は高専の授業を通して、教授の頭の中で巡らせている高度な思考回路を汲み取る能力が磨かれたと感じています。そこから論理的な思考を身につけられました。このスキルは今、自社の経営層の判断を正しく理解することに役立っています。
奈良:高専時代のプログラミングの授業では、教科書に書かれている内容を最初から最後まで教えるのではなく、時々自分で深く考える時間が与えられました。それがとても良かったと今は思います。例えば障害発生時の、原因を追求していく能力に繋がっています。答えを知るのではなく、答えに辿り着く力が身についているのでしょう。

インタビューのため、地元だけでなく東京からもご参集していただきました。
イシダを選んだことが正解だったと思うからこそ、就活は熟考して欲しい。
高専時代に学んだ技術スキルや難題の実験に挑戦した経験を今の仕事に活かしている5名ですが、イシダは彼らのポテンシャルをどのような風土や制度で引き出しているのかを、高専生へのメッセージと共にお聞きしました。
X線検査装置IXシリーズ。従業員の創意工夫を製品に反映する風土のもと、ガラスや骨などの低密度異物も逃さない高精度な検出を実現。また、京大との連携でアニサキス専用の検知波長も開発。生食の安全を守る装置として、幅広い現場に導入されています。
佐伯:まずは上司や先輩たちの誰もが、労を惜しまずに指導してくれる風土が、若い社員たちの能力を引き出していると感じています。社内で接する人は優しい方ばかりで、質問や相談がしやすいですしね。また、仕事の進め方を技量に応じて任せられるのも嬉しいです。私は普段は残業をほとんどしませんが、ここぞという時は遅くまで残って仕事に集中しています。
松下:若手社員にチャレンジの機会を与えてくれることも、向上心を高めます。会社全体で一丸となって社会が求めている製品に挑んでいるので、増収増益が続いているのかもしれませんね。就活時には会社選びを慎重に行なって下さい。イシダのようなBtoBの事業を行っている企業は一般にあまり知られていませんが、イシダは長く安心して働く事が出来る企業です。
吉見:イシダは成長機会が本当に多い会社だと思います。私は2026年4月から滋賀大学大学院への編入学が決まっています。開発部門の推薦を受けて決まりました。イシダで働きながら、大学院で最先端のデータサイエンスを習得することになります。その後は、イシダのグローバルビジネスをさらに拡大・推進できる人材として活躍したいと考えています。イシダで働く魅力を深く感じ続け、気がつけば10年も経っていました。今はさらに実力を磨いて、会社に恩返ししていこうと考えています。
私のように、入社してから会社の本当の良さに気づけたのは単に幸運だったと思います。後悔しないためには、就活時にしっかりと企業の社風や中身を探ることだと思います。
奈良: SE部には開発SEとフィールドSEがあり、私はフィールドSEとして所属をしています。さらにフィールドSEの中にもシステムの開発対象が食品工場、店舗、物流倉庫・・・と複数あり、どこを担当したいのかは基礎学習が終わってから自分で選びます。本人の思いもよらない豊かな可能性を判断して人事部が希望とは別の部門を勧めるケースがあるかもしれませんが、イシダは基本的に社員個人の未来への想いに寄り添ってくれる会社なのです。
自分がやりたい仕事内容は何か、それを高専時代から出来る限り具体的に思い描いて下さい。そして、それを実現出来る会社を選び抜けば、きっと満足のいく社会人生活を送れることでしょう。
※イシダのSEには、お客様先に出向いてシステム仕様設計・テスト・導入を担当するフィールドSEと、社内でシステムの開発や新技術研究を担当する開発SEの2つがあります。
人事採用担当者からのメッセージ
(左)人事部人事課 渡邉 裕幸 様
(右)人事部人事課 木下 小太朗 様
イシダの特長として、高専生が全国の高専から入社し、様々な職種で活躍している事。人事部による採用活動と共に、入社後の手厚い研修や福利厚生に代表される人を大切にする風土が活躍の基盤にあります。
【お答え下さった方】
人事部 人事課 渡邉 裕幸 様
人事部 人事課 木下 小太朗 様
渡邉:弊社の社員数はグループ全体で4,500名弱になりますが、その中で高専の本科卒の社員は150名にのぼり、高専から大学、大学院に進学してから入社した社員を含めると180名近くになります。高専新卒者の採用数ランキングにおいても、ここ数年は徐々に順位を上げ、2025年は全国の企業の中で85位まで到達しました。そんな彼らの多くは入社後に、主要製品の開発や設計、技術サービス、営業技術等に従事しています。定着率も極めて高く、まさに弊社のコア人材になっていると言えます。
木下:高専出身者を積極的に採用している理由は、弊社が先行開発で獲得する技術力を競争力の源泉とするメーカーであり、市場をリードする価値の高い製品を世に送り出すために多数の優秀なエンジニアを必要としているからです。高専出身者は5年間で、機械、電気・電子、情報などに関する専門スキルを基礎からしっかり磨いた上で、実践的なものづくりの経験を経て入社するので、若手社員のうちから貴重な戦力として活躍でき、それを高く評価しているのです。
渡邉:イシダが高専出身者にとって実力を発揮しやすい企業となっているのは、入社時の希望を尊重しつつ、高専で磨いたスキルを活かせる職務に配属していることが大きいでしょう。それによって、仕事に向かうモチベーションが引き出されています。新しい技術に挑む意識や高い基礎技術と合わせて、弊社の充実した教育研修も彼らの意欲をサポートします。そうして、多くの高専出身者が期待以上の成長を見せてくれるのです。
京都市内平安神宮の近隣にある本社のエントランスから望む庭園。
株式会社イシダ
| 創業 | 1893年5月23日 |
|---|---|
| 会社設立日 | 1948年10月26日 |
| 資本金 | 9,900万円 |
| 本社所在地 | 京都府 京都市 左京区 聖護院山王町(しょうごいんさんのうちょう) 44 |
| 拠点 | 事業所:滋賀県 栗東市 下鈎 959-1 支社:東京都 板橋区、大阪府 吹田市 営業所:国内18か所 サービスステーション:国内13か所 物流センター:滋賀県 栗東市 国内関連会社:18社 海外関連会社:11社 |
| グループ連結売上高 | 1,774億円(2025年3月決算) |
| グループ従業員数 | 4,415名(2025年6月21日時点) |
| 主な事業内容 | 高い精度を誇る自動計量技術をコアに、製造ライン上に流れる製品の分別・検査・梱包に至る工程を自動化する装置群を提供し、顧客の求める製品出荷の高速化や省人化、コスト削減を実現する設備システムのリーディングカンパニー。 特に国内食品生産ラインにおけるシェアは70%以上に達し、さらにグローバルでも広範囲に事業展開。市場ニーズをいち早く汲み取り、創業以来130年に亘り技術で真摯に応えていく企業姿勢によって増収増益を継続し、安定した経営基盤を築いています。 |
| 採用ページ | https://www.ishida.co.jp/ww/jp/career/ |